マニラにあるコンビニエンスストアの特徴
1. サリサリストア:フィリピンの原点
まず紹介したいのは、フィリピンの伝統的な小売店「サリサリストア」です。フィリピン語で「いろいろ」を意味する「サリサリ」という名前の通り、日用品から食品まで様々なものを扱う小さな商店です。私はよく、SIMカードのロードを購入したり、おやつを購入しています。
通常、民家の一部を改造して作られたサリサリストアは、まさに地域に根ざした存在。近所の人々が気軽に立ち寄り、必要最小限の買い物をする場所です。品揃えは決して豊富とは言えませんが、シャンプーやせっけんといった日用品がサシェ(小分け袋)で売られているのが特徴的。経済的に余裕のない人々にとっては、必要な分だけ購入できるありがたいシステムです。
また、サリサリストアは単なる商店以上の役割を果たしています。ご近所さんたちの井戸端会議の場であり、地域のニュースが飛び交う情報交換の中心地。フィリピン人の温かいコミュニティ文化を象徴する存在と言えるでしょう。簡単な英語でコミュニケーションを取れます。
2. セブン-イレブン:近代的コンビニの代表格
次に、フィリピンでも急速に店舗数を増やしている「セブン-イレブン」について。日本でもおなじみのこのチェーンは、フィリピンでも都市部を中心に急成長を遂げています。
フィリピンのセブン-イレブンは、基本的なコンセプトは日本と同じですが、品揃えや雰囲気は少し異なります。例えば、店内で販売されている食品は、フィリピン人の好みに合わせたものが多く、スパゲッティやチキンなどのフィリピン風ファストフードが人気です。
個人的に嬉しいのは、時々日本の季節限定商品が入ってくること。桜餅や柏餅など、日本の季節を感じられる和菓子を見つけた時は、小さな幸せを感じます。
また、支払い方法の多様性も特徴の一つ。現金はもちろん、電子マネーやモバイル決済にも対応しており、特に若い世代を中心に利用されています。24時間営業の店舗も多く、夜遅くまで仕事をしているIT業界の私たちにとっては、心強い味方です。KIOSKという、決済システム端末があり、携帯料金や光熱費、オンラインショッピングの支払いやチケット支払いも可能です。
※フィリピンのコンビニの多くは、クレジットカードが使えません。ほとんどのセブンでもカードは使えず、最近が電子マネー(GCashなど)も使用できません。ただし、ATMがある店舗が多くあり、その場合は現金が引き出せます!
3. ローソン:日系コンビニの挑戦
日系コンビニの代表格として、「ローソン」も忘れてはいけません。フィリピンでは、アイスクリームやフライドチキンなど、出来立ての軽食が人気を集めています。
特筆すべきは、店内にイートインスペースを設けている点。フィリピンの暑い気候下で、冷房の効いた快適な空間で軽食を楽しめるのは大きな魅力です。友人とのちょっとした待ち合わせ場所としても重宝しています。
店舗によって、ラインナップはさまざまなのですが、特にお弁当に力を入れる店舗とイートインに力を入れる店舗に分かれているように感じます。他のコンビニよりも清潔感があるのが印象としてあります。BGC内でもたくさん見かけますよ。
4. アンクル・トム:フィリピンのコンビニ
「ファミリーマート」や「ミニストップ」も、フィリピンから撤退し、その跡地にイートインスペースを大きくとったコンビニとしてフィリピンで着実に店舗を増やしています。
コンビニの品揃えは、あまり良くないですが、地元に沿った商品ラインナップが多いのが特徴のようです。日本で言うとマイバスケットのような印象を受けます。フィリピン人の同僚たちは、セブンイレブンか、この店舗でよくおやつやランチを買っている印象がありますね。
5. 韓国系コンビニ:新たな風
最近、マニラで目にするようになったのが韓国系のコンビニです。「CU(シーユー)」や「GS25」といったチェーンが進出し、韓国のコンビニ文化を持ち込んでいます。
これらの店舗では、韓国のお菓子やインスタント食品、化粧品なども取り扱っており、K-POPやK-ドラマの人気と相まって、若者を中心に注目を集めています。韓国の調味料や食材、冷凍食品を多く扱っており、自炊するときのスーパーとしても重用します。
個人的に、韓国のインスタントラーメンは量も多く種類も多いので自炊に飽きたときの強い味方です。また、冷凍餃子や豆腐なども手軽に購入できるため、私が一番使っているコンビニですね。お菓子の味付けなども、少し高いですが、甘さ控えめなのでよくアイスを買っています。
フィリピンコンビニの特徴と課題
フィリピンのコンビニは、単なる買い物の場所以上の役割を果たしています。例えば、公共料金の支払いや送金サービス、携帯電話のプリペイドロードなど、生活に密着したサービスの窓口としての機能も。日本と同様、ATMを併設している店舗も多く、便利さでは引けを取りません。
一方で、課題もあります。例えば、品質管理。時々、賞味期限切れの商品が棚に並んでいることがあるのは少し気になります。私は何度かお弁当を購入して、お腹を壊しました。要冷蔵の商品をそのまま外気の当たる場所に置いて腐ったのかなと思います。また、レジでのオペレーションも日本ほど迅速ではなく、混雑時には長蛇の列ができることも。しかし、これらの課題も徐々に改善されつつあり、サービスの質は年々向上しています。
コンビニが変えるフィリピンの食文化
興味深いのは、コンビニの普及がフィリピンの食文化にも影響を与えている点です。例えば、日本式のおにぎりや韓国風のキンパ(海苔巻き)が、手軽な軽食として受け入れられるようになりました。味はあまり美味しくないので、あまりお勧めしませんが、最近の流行りの食文化が反映されているため、私もついついチャレンジしてしまいます。
また、コーヒーの飲み方も変化しています。フィリピンの伝統的なコーヒーは、粉末の3in1(コーヒー、砂糖、クリーマーが一体となった商品)が主流でしたが、コンビニのカウンターコーヒーの登場により、より本格的な味を手軽に楽しめるようになりました。
最後に:コンビニが繋ぐ文化の架け橋
フィリピンのコンビニは、単なる小売店以上の存在です。それは、グローバル化と地域の伝統が融合する場所であり、異なる文化が交わる接点でもあります。
日本人の私にとって、コンビニは故郷を感じられる場所であると同時に、フィリピンの日常生活をより深く理解するためのウィンドウでもあります。サリサリストアの素朴な温かさから、最新の韓国系コンビニのトレンディさまで、フィリピンの多様性と変化を肌で感じることができるのです。
フィリピンに住む日本人として、これからもこの国のコンビニ文化の発展を見守り、その変化を皆さんにお伝えしていきたいと思います。みなさんも、フィリピンを訪れる機会があれば、ぜひ様々なタイプのコンビニを訪れてみてください。きっと、新しい発見があるはずです!
それでは、また次回のブログでお会いしましょう。WaoWaoでした!